『デス・ストランディング』と「アセクシャル」

「デス・ストランディング(DEATH STRANDING)」(通称:デススト)は、私にとって大変思い入れのあるゲームです。
ハリウッド俳優をモーションキャプチャーで撮影することにより、プレーヤーに映画を操作しているような不思議な感覚をもたらします。その体験は然ることながら、ゲームのストーリー・世界観も作り込まれており、多くのサイトでは、その解釈について議論が展開されていました。

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ゲーム内に「アセクシャル」の文字が!!

デスストには、たくさんのデータアーカイブ(登場人物の手記など)があり、それを読んでいるだけでもとても楽しめるのですが、そのなかに、なんと「アセクシャル(アセクシュアル)」の文字を見つけたときは、仰天しました。

デス・ストランディングが起きる前から、人は触れ合うことを恐れはじめていたのかもしれない。当時の記録で見つけた話だ。
若い世代を中心に、”セックスのない生活”を求める傾向が強くなっていた。他人に対して性的欲求や愛情を抱けないアセクシャル(無性愛)と呼ばれる人間が増えていた。生殖行為そのものをしなくなり、性を楽しむこともしなくなってきたのだ。
だが、すべての人間がそうだったわけではない。親密な関係になる相手にだけ、ごくまれに性的欲望を感じるデミセクシュアル(半性愛)、性的な欲求はないが、あらゆる人に恋愛感情を抱くパンロマンティック(全愛情)など、新たな性的アイデンティティをもつ人間が登場したという。
デス・ストランディングがその傾向に拍車をかけた。BTと接触し、飲み込まれると対消滅を起こす。その事実が、他者と接し、深い関係を結ぶことを恐れさせたんだ。
肉体的な要因による不妊のせいではなく、出生率は激減した。それと並行して、性犯罪や性暴力も減少した。人が接触しなければ、誕生という喜びも、暴力という悲劇も起こらない。少なくともこの大陸の多くの人が、アセクシュアルとなってしまったんだ。出典:「デス・ストランディング」文書<アセクシュアルな世界>より

アセクシャルを自認する人たちにとって、この「データ」は、非常に考えさせられることだと思います。なぜ”わざわざ”「アセクシュアル」という文字を前面に出したのでしょう・・・その答えはともかく、現在の世界的状況(コロナウィルス感染拡大による人との接触の忌避)は、この「デス・ストランディング」の世界観と実に多くの点で重なっているように思いませんか?

S.Okajima





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