世間一般では、「生物学的に」は、「生得的に」つまり、「生まれながらにして」という意味で使用されていると思われます。
たしかに、「男」であるか「女」であるか、は、生まれながらにして決まっているように思われます。もちろん、それは、目という感覚器官によって、視覚的に観察できることを前提にしています。たとえば、男性は、筋肉質で、女性は丸みを帯びているとか、生殖器の形が異なるとか、そのような外形的な性差を示しています。
これを、遺伝子レベルでみれば、性染色体として女性はXX、男性はXYを持つとか、と記述されるのでしょうが、法律的には、どのように規定されているかご存知ですか??
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男・女は法律でこう決まっている
まず「出生届」で「法律上の男女」は決定する
例外は割愛しますが、一般的には「出生届」を役所に提出し、ここで、[男]か「女」かのチェックボックスがあり、届出者である親が、どちらかにチェックマークをつけることになります。
ここで、その子が「男」であるか「女」であるか、の線引きがなされることになります。
第四十九条 出生の届出は、十四日以内(国外で出生があつたときは、三箇月以内)にこれをしなければならない。 ○2 届書には、次の事項を記載しなければならない。
一 子の男女の別及び嫡出子又は嫡出でない子の別二 出生の年月日時分及び場所三 父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍四 その他法務省令で定める事項参照:「戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)」
「生物学的に」の意味を「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」から読み解く
では、何をもって「男」であるか「女」であるか、を決めているのでしょうか。
「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(平成十五年法律第百十一号)は、「法令上の性別の取扱い」を定める法律です。
(定義) 第二条 この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。参照:「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)」
この段階ですでに「生物学的には・・・」とありますが、そのあとで「心理的にはそれとは別の性別・・・」とあることから、なるほど、やはり外見的な判断が関係していることがわかります。
さらに同法では、いわゆる「性転換」に、つぎのような要件を掲げます。
第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。 一 二十歳以上であること。 二 現に婚姻をしていないこと。 三 現に未成年の子がいないこと。 四 生殖腺せんがないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。 五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
この5号に「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観」との文言は、やはり、「男女」の判断には、外観(見た目)の差異が大きくかかわっていることを表しています。
少なくとも、「性同一性障害特例法」においては、目に見えない性、つまり心理的な性の存在が明記されていることは、とくに注目すべきことです。
しかしながら、現状は、法律的な「男女」の取り扱いは、特定の要件に、「性転換手術(“Sex Reassignment Surgery” (SRS) )」の施術も含め、すべて該当し、家庭裁判所による審判によって変更されることになると決まっています。
この規定について、みなさんは、どのようにお考えになりますか?
S.Okajima
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